『実例で見る日米コミュニケーション、ギャップ』 西田ひろ子著 1989年出版 大修館書店
pp2~6
企業の海外進出はモノ中心からヒト中心に変化している。製品を輸出するだけのモノ中心の時代は終わった。今は、海外に工場や会社を設立して、人も送り出すヒト中心の時代となっているのである。海外進出企業が増えたことによる問題がある。なれない海外生活、異文化との接触によってノイローゼになる日本人ビジネスマンが増えていること。日本にやってくる外国人ビジネスマンが日本での生活からノイローゼになる人が多いことだ。このように、文化背景の違いから滞在国の人々とコミュニケーションギャップを起こし、カルチャーショックを体験する人の数が年々増えている。最近は家族とともに赴任する人が増加している。ノイローゼになるのはビジネスマンだけではない。海外での生活をよぎなくされる妻、子供、さらに、円高などを背景に留学する若者にも同じような症状になる人が増えており、その数は一昔前と比較にならないほど多くなっているようだ。慣習や行動様式の違いが思わぬ摩擦になりがちである。文化背景の異なる人々とうまくコミュニケーションするための能力の開発が叫ばれているが、国際化時代に対応できる行動様式とはどのようなものかといった観点から日本人の行動様式に焦点を当てた調査や研究は遅れているのが実情だ。日本人の行動様式に焦点を当てた研究、日本人と外国人との間のコミュニケーションギャップに焦点を当てた研究は今一番必要とされている。
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