Mar 2, 2007

2006 基礎ゼミ・レポート (2007.1提出) M.Y.

M.Y.さん

ジャーナリストになるには?

1. はじめに

現在の日本では一体どのくらい の情報が大衆の目にふれているだろうか。例えば新聞はNHKの調査によると国内の一世帯で読まれている新聞は平均1.04紙である。成人人口1000人あ たりの日刊新聞の発行部数は644.2万部である。また、新聞を世界で一番読まれている国はノルウェーの650.7万部に次いで世界でも日本は第2位であ る。日本や世界で多く読まれている新聞は高い信頼や支持をもたれている。日本新聞協会には地方新聞を含め108の新聞社が加入している。

新 聞だけでこれだけ多くの人が毎朝朝刊に目を通している、ということは雑誌や、インターネットでの情報やラジオ、テレビなどの放送業界での情報を入れるとか なり情報が我々に提供されていることになる。これらの情報を大衆の目に触れさせることを考えると、記事や番組の制作者は大変多いことがわかるだろう。新聞 社の従業員数は65,023人でそのうち編集部門は20741人である。女性の従業員は約8パーセントである(数字はNHKの調査で日本新聞協会・ 2005年版世界新聞協会「World Press Trend」より)。

今回はマスメディアによる情報発信において重要な役割をになっている「ジャーナリスト」に関してしらべた内容を書いていこうと思う。

2. ジャーナリストとは

一 般的に知られている「ジャーナリスト」という職業は、新聞社、放送業界、出版社で書物や雑誌、新聞などの形を整えることや細かな資料を集め目を通している 編集者、記者、寄稿者の総称のことである。テレビで目にするジャーナリストというものも「読売新聞デスク」や「○○大学教授」などが前につけられているこ とが多い。社会で起こる事件、現象をいち早く取材し、マスメディアへ記事、写真、取材ビデオを提供するのである。取材に行くときは基本的にスーツとネクタ イを着用し、カメラは必ず携帯する。取材時はメモを取りながら目、耳など五感をフル回転させて取材相手と向き合い取材を行う。

放送業界など で解説を行う仕事としてコメンテーターといわれるものとジャーリストと呼ばれるものの2種類があるが、この2つを混同してはいけない。そのはっきりとした 違いとはジャーナリストはジャーナリズムの仕事に携わる職業であるという点だ。ジャーナリズムとは広辞苑によると「新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどの情報 機関で時事問題を報道し、正しい解説や批評をすること」とある。それに対して、コメンテーターはその時事問題や起こった事柄によって持論や知識の中からコ メントするというものである。簡単にこれらの違いを説明するなら、コメントとジャーナリズムの違いは自分の意見ではなく、公平な批評、正しい解説をするこ とである。コメントは世間がどう思うかではなく、自身がどう思うかなどの意見が中心でありジャーナリズムとは世間での正しい解説を行い自身の意見を中心に は発言されていないはずだ。少なくともされているとしても内容の最後の方につけたされているだけのものがほとんどである。

ジャーナリストという職業は海外では非常にステータスの高いものと考えられている。なぜならこの職業は高い専門性を必要とするからである。正しい知 識を身につけ、情報をしっかりと読み解く力がなければこの職業で成功できないことも多いのである。マスメディア業界は華やかな世界だと思われているようだ が、実際はそんなことはない。例えば給料が高そうというイメージがあるが、新聞社やテレビ業界での初任給は約20万程度で、その仕事を長く続けていること で給料は上がる。また、特ダネを手に入れた場合も少し給料に付け足される場合もある。

しかし、お金ではなく市民の心を動かすことができる。 「ペンは剣より強し」というが徹底的に取材し物事の本質を暴き出すことで大衆へ真実を伝える仕事で非常に影響力がある。だからこそ、間違った報道をしない ために念入りにチェックが行われ、やっと次の日の新聞や雑誌、テレビやインターネットのニュースとして配信されるのである。

また、ジャーナリストにはいくつもの種類がある。経済、政治、スポーツをはじめとする料理、軍事、国際、科学など分野は様々である。最近ではファッションについての解説にファッションジャーナリスト、文学や映画についてのジャーナリストも存在する。
これらの種類のジャーナリストがすべて新聞社やテレビに所属しているわけでなく、フリージャーナリストというタイプのジャーナリストもいる。フリージャーナリストとは会社に入社しているわけではなく、記事を書いて会社に売り込み原稿料をもらうのである。

ジャーナリストはほんの一部の分野だけでなく多くの分野に広げているのである。

3.ジャーナリストになるには?

それではどんな人がジャーナリストに向いているのか見ていこう。下に記した人だけがジャーナリストに向いているわけではないが職業診断のサイトに記載されていたひとつの例を紹介する(「ナニなるNTE」)。
  • 好奇心が強い
  • 正義感が強い
  • 体力には自信がある
  • 飽きずにこつこつやるタイプだ
  • 何事もとことん追求したい
  • 文章を書くことがすき
上 記に記したものの解説をしておくと、「好奇心、正義感が強い、何事もとことん追求したい」というのは物事の本質を捉えるために必要なことである。「体力に 自信がある」というのは、ジャーナリストとは必ずしもゆっくりと仕事が出来るわけではない、取材に行ったあとすぐに記事をその日の夕方までに提出しなくて はならない場合や、速報が入ったために朝刊の一面が差し替えられるというのもあるので睡眠時間や休息を十分にとることができないこともある。だからこそ体 力が必要なのだ。最後に「飽きずにこつこつやるタイプ」と「文章を書くのがすき」というのはジャーナリストだけでなく、作家をはじめとする文章を扱ういろ いろな職業に必要である。これは一例にすぎないので必ずしもこれがすべて正しいわけではないが本質として必要なのである。

ジャーナリストになるには、次のような進路を選ぶ必要がある。

図1の「進路」の内容を簡単に説明すると、ジャーナリストになるには、 高校を卒業後スコミの専門学校を経て新聞社、出版社、テレビ局に入社してジャーナリストになる方法と、高校を卒業した後に大学で学んだ上でマスコミの専門 学校に入る方法か、または大学を卒業後そのままマスコミの世界に入りジャーナリストになる方法の二つがある。

高校
専門学校
大学

図1 進路

一般的には4年生大学を卒業した人が多い。なぜならそれほどマスメディアでの入社試験とは難しいのである。図1をみると、どちらかというと専門学校 に行ったほうがすぐにジャーナリストになりやすいように見えるが、ジャーナリストには専門的知識が必要である。大学に行っていろいろな知識を身につけてか らマスメディアの世界に入るのも決して遅くはない。むしろ、大学での知識を生かした方がその専門分野の質の高い仕事を与えられやすいと考えられる。また、 ジャーナリストとは文章を書く仕事であり、文章力は大学で学んだ者のほうが高いことを会社は知っているのだろう。

従って、ジャーナリストになりたいと思うなら、高校卒業後すぐに専門学校に進むより大学で文章力を鍛えることができるはずだ。

そ れではジャーナリストを養成している学校をさがしたところ、ジャーナリストが目指せる学校次の通りである。調べたところによると大学では6校でレイクラン ド大学ジャパン・キャンパス、ネバダ・カルフォルニア大学国際教育機構、Japan(NIC)、海外250大学留学センター、東海大学、文化女子大学であ る。短期大学では1校で生得大学短期大学である。専門学校では4校で日本写真芸術専門学校、東京工学院専門学校、CUP JAPAN サッカーカレッジ、 ビジュアルアーツ専門学校大阪などである。

さて、ここまではジャーナリストになるまでの経緯を簡単に説明したが、ジャーナリスト をはじめとするマスメディア関係の仕事に入るには非常に難しい試験がある。就職試験は幅広い知識教養、文章力、基礎的語学力を測るために一般教養、時事問 題、外国語、などの筆記問題、国際ニュースに対してどう思ったかの面接、作文は重視されている。このような試験に合格しない限りこの職種にはつけない。こ れこそマスコミが狭き門だといわれている所以でもある。

大変な試験に合格してもまだまだすることは山のようにある。一人前のジャーナリストになるに最も大切なことは体験をつむことだ。多くは研修期間を経て各現 場に配属される。テレビ局の報道部や新聞社に入ったばかりのときは、「サツまわり」と言われる警察や司法の取材を担当することが多く、地方支局での勤務だ けでなく、本社で社会や経済や文化やスポーツなどの各部に所属し、一定ジャンルに絞って取材活動を行う場合もある。
また、文章を書くことも経験をつむうちのひとつでもある。人の文章、つまり本や新聞や専門書を読むということも経験である。
 
そ れではジャーナリストの一日を見てみよう。2006年7月10日にNHKで「あしたをつかめ平成若者仕事図鑑」という番組の中でジャーナリストの一部であ る地方新聞記者の一日が紹介されていたのでジャーナリストの生活がどんなものか表にまとめたのが表1である。地方新聞社に勤める堀口さんは朝に出勤してか らの動きはきっちりと時間が詰められている。地方新聞で働く人の例なので放送業界とは多少異なるところがあるが、基本的な内容としては報道業界では同じよ うに分刻みに仕事がつめられており非常にハードである。

表1 ジャーナリストの一日

出勤
7:00 8:00
警察庁顔出し
記者クラブ
2時間30分 10:30
取材2件
2時間30分 13:00
出稿3件
3時間30分 16:30
警察署顔出し(2署)
1時間30分 18:00
出稿2件
支局長と内容検討
3時間45分 21:45
発生もの
取材
現場出稿
2時間15分 帰宅
警察署へ警戒電話
10:00~10:30

4. 結論

これまでに述べたことから、ジャーナリストという職業は基本的にはマスメディアへの記事、写真、取材ビデオなど報道に 携わる内容のものを取材しマスメディアに提供する職業である。コメンテーターとは違い、自身の持論を入れることはなく世論などを含むジャーナリズムに基づ いて発言、解説をすることである。そのジャーナリストになるには一般的には4年生大学を卒業後専門学校に行くか、新聞社や出版社の入社試験を受けることで ある。この入社試験では一般教養や時事問題や外国語への筆記問題、国際情勢やニュースに対しての面接や小論文などがある、合格することでジャーナリストと しての一歩を踏み出すことができる。この時点ではジャーナリストとしてはまだまだ未熟だが、取材などで経験をつむことでジャーナリストとしてのスキルをあ げることができる。

ジャーナリストは世界でも高い評価を得ており、日本と同じように4年生大学を卒業したもの、又は大学院を卒業した高い知 識を持った人が多い。だからこそステータスの高い職業とされている、今後は世界中のジャーナリストの扱われ方と日本のジャーナリストの扱われ方がどのよう に違うのか、どのような過程でこの職業に就くことができるかを詳しくしらべていきたいとおもう。


参考文献
「あしたをつかめ平成若者仕事大辞典」NHKの放送
http://www.nhk.or.jp/shigoto/zukan/090top.2html
「キャリアマトリックス-職業情報(放送記者)」http://cmx.vrsvs.net/[/CCS.i01.bady.php? occode=11102&svsmode=s&flags=000
「知りたい!なりたい!こんな職業」 http://www.nikkeiwoman.net/job/shiritai/ job.f67.html
「ナニなるNTE」http://naninaru.net/ 2007年2月1日
「マスコミに入る」AERA MOOK
『World Press Trend』日本新聞協会・2005年版世界新聞協会

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