Mar 2, 2007

2006 基礎ゼミ・レポート (2007.1提出) Y.Y.

Y.Y.さん

現在の海の状況~地球温暖化などによる被害~

1. はじめに

この100年の間に、海洋破壊は想像以上に進んでしまった。地球温暖化、海洋汚染、そして急速な技術進歩による過剰な漁業により、海はそこに棲む海 洋生物を維持することができなくなりつつある。海に頼って生きる私たちは取り返しの付かない状況になる前に、解決にむけて動き出さなければならない。 そこで私は現在問題になっている様々な問題について調べた。

2. 絶滅への危機

海にはさまざまな種の生き物が棲んでいる。そのサイズもまた、顕微鏡でなければ見えないような小さなプランクトンから大きなクジラにまで及んでい る。 気候の変化だけでなく、生活排水などからの海水汚染、車の排気ガスやエアコンの使いすぎなどからの大量の二酸化炭素の排出、このような人間が引き起こして いる破壊的な影響によって、タンカー事故でのラッコ、野鳥、クジラの大量死、サンゴの白色化問題などさまざまな問題が発生している。

さまざまな問題

〈1〉気候変動
海 とそこに棲む生物もまた、気候の変化と地球温暖化の影響を受けている。科学者は地球温暖化により海水温度が上昇し、それに伴い海面が上昇し海流を変化させ ていると指摘している。海水温上昇は、すべての海洋生物に影響を与えている。彼らの中には海水温上昇など環境が変わると、生き延びることができなくなるも のもいる。 海水温上昇の影響はすでに目に見えるものとなってきた。
例えば、最近広範囲で確認されているサンゴの白化現象(白くなり死んでしまう現象)は海水温の上昇が原因であると考えられている。

(1)白化前      (2)白化中        (3)白化後

   
図1 サンゴの白化 参照(http://coral.s5.com/cb-j-more.htm)

〈2〉汚染
汚染の中でも最も目立つのはタンカー事故によって起こされる重油汚染だろう。海面を覆う油膜、一変した海岸の光景。しかし、海洋 汚染全体を考えると、タンカー事故の影響はごく小さなものでしかない。毎日垂れ流される生活廃水、工業排水、ゴミ捨て場からの漏水、都市産業排水、事故や 爆発による様々な化学物質の流出、核燃料などの海洋投棄、多量の肥料や農薬を含む農業排水、発電所などの温排水、放射性物質の排出の影響は計り知れない。
海を汚染している物質のうち、陸から海に入る汚染物質は44%程度、大気を通じての汚染は33%と推定されている。一方、船舶などの海運による汚染は12%程度であると計算されている。

★海鳥の救護活動

図2 参照(http://www.arrobaspain.com/tokusyu/tokusyu4-galicia.shtml)
 
図3 代表的な油流出事故による水鳥の被害 参照(http://www.wrvj.org/)
船名 / 発生年 / 国 / 流出量(トン) / 保護数(羽)
ナホトカ / 1997 / 日本 / 5304 / 1315
エリカ / 1999 / フランス / 12000 / 77000
トレジャー / 2000 / 南ア / 1300 / 43000
プレステージ / 2002 / スペイン / 22500 / 23181

〈3〉海面上昇
私たちが現在まで放出した温室効果ガスと、将来、放出するであろう温室効果ガスによって、世界の平均海面は過去100年間に 地球全体の平均気温は0.3度~0.6度上昇し、これだけ気温が上がっただけで、海面は10~35センチも上昇したという。海面が上昇するのは、気温が高 くなるのにともなって水温も高くなり海水が膨張するのと、極地の氷が溶けて海水の量そのものが増えるためである。
予測された海面上昇に よると、人間の生活域に多大な影響をもたらす。海岸地域の洪水や嵐による被害、海岸線の侵食、塩分による真水の汚染、農業地域での海岸沿いの湿地や防波島 の洪水、河口域の塩分濃度の上昇など、様々な問題が起こってしまう。日本では温暖化により海面が1m上昇すると、海面(満潮水位)以下の地域が2.7倍 (2,300km2)に広がり、人口410万人、資産109兆円が危険にさらされます。

島や海岸地域に住む人々にとって重要な資源である海岸や、真水、漁場、サンゴ礁や環礁など、また野生生物の生息域も絶滅の危機にさらされている。

〈4〉大規模漁業
最新式の設備を備えた巨大漁船は、魚の大群を早く正確に捉えることができる。工場のような巨大漁船団による大規模漁業は、 海の生産力の限界を超えてしまった。大きな魚が捕り尽くされると、その次に大きな魚種がターゲットとなり、それが獲り尽くされるとまた次に大きな魚種とい うように、次々と獲り尽くされていき、残っている魚種は、どんどん小さなものになっていく。

どんどん減少していく魚を、さらに多くの人々が取り合い、奪い合い、現在の海洋の危機を悪化させているのだ。

〈5〉混獲
今の漁法には膨大な無駄が伴ってしまう。 世界中で漁網に絡まって、年間30万頭ものクジラ、イルカが死んでいる。漁網は多くの海の生き物にとって生存をおびやかす脅威なのである。
図4 シャチの画像
                                
海の生物の生息環境を壊す漁獲方法として近年、深海底引き網漁が注目されている。これは、太古から生き続けてきた深海のサンゴの群落や、その他の繊細で未知の深海の海洋生態系全体を壊してしまう。

4. 解決法

これらの海が直面している問題から、わたしたちの海を守るためには今すぐにでも改善していかなければいけない。これからも豊かな海であり続け、豊富な海洋水産物が食べられるよう、人間と海との接し方を変えていくことが必要だ。

そのためには、世界の海の40パーセントを海洋保護区とする必要があると考られる。海洋保護区とは、陸地で言う「国立公園」のようなものであり、広域または 一部区域における人的活動(漁業やスキューバーダイビングなど)を規制し、海洋生物の保護をする区域のことだ。これは獲り過ぎによって減少した魚などの数 を回復するという目的もあり、私たちだけでなく、漁業者の人たちもその恩恵を受けることができる。
ほかにも私達にできることはないだろうか。例えば、温暖化を防ぐために二酸化炭素排出量を減らす。そのためには車の排気ガス量やエアコンの使用量を最小限にし、物を何でも無駄遣いせずできるだけリユースする。このような日ごろからの行いから改めていくべきだと思う。

4.結論

海 に住む野生動物は海洋汚染、温暖化などの影響で住むところをなくしどんどん減少しつつある。それをできるだけ早く食い止め、今以上に悪化しないよう心がけ ていきたい。人間と動物がもっと触れ合う機会を持ち、今以上に深い絆を作るべきだと思う。キレイなサンゴ、クジラやシャチなどの野生動物、いつも食べてい る魚などをもっと大切に思い、みんなで海をもとにキレイな状態に直していけたらなと私は願っている。

参考文献
図1 参照(http://coral.s5.com/cb-j-more.htm)
図2 参照(http://www.arrobaspain.com/tokusyu/tokusyu4-galicia.shtml)
図3 参照(http://www.wrvj.org/)
図4 参照(http://www.h5.dion.ne.jp/~gminami/orca/orca6.htm)

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